「顧客を選ぶ」マーケティングで売上3倍!断る勇気が育てた常連客の物語

友だち登録は200人を超えているのに、月1〜2回のLINE配信にいつも反応してくれるのは同じ10人ほど。「今日も割引クーポンを送ったけれど、本当に効果があるのだろうか」。あなたも、そんな疑問を抱いたことはありませんか?

私は健康麻雀店を経営して22年。最初の10年間は、まさにその状態でした。来るお客様は全員大切に、どんな要求にも応えて、時には朝まで付き合うこともありました。「お客様は神様だ」という言葉を信じて疑いませんでした。

しかし、ある日気づいたのです。私は「全員に好かれよう」として、結果的に誰からも深く愛されない店を作っていたのではないか、と。

その後、勇気を出して顧客を「選ぶ」ことを始めました。すると驚くべきことが起こったのです。売上は3倍になり、お客様から「ありがとう」と言われる回数が劇的に増えました。そして何より、私自身が経営を心から楽しめるようになったのです。

もしかすると、あなたの店も同じ状況かもしれません。だとしたら、今日お話しする内容は、あなたの店舗経営を根本から変える可能性があります。

目次

創業22年で気づいた「全員に好かれる店」が潰れる理由

「断るなんて、お客様に対して失礼じゃないか」

これは、私が長年抱えていた思い込みでした。美容サロンを経営する友人も、整体院を開いている知人も、みんな同じことを言います。「お客様のためなら何でもする。それが商売の基本でしょう?」

しかし、現実はどうでしょうか。

朝まで付き合った麻雀で学んだ「来る者拒まず」の限界

創業当初の私の店は、いわゆる「何でもあり」の麻雀店でした。お客様が「朝まで打ちたい」と言えば朝まで。断ることなど考えもしませんでした。

これは麻雀店だけの話ではありません。例えば、美容サロンで「今日は忙しいから30分早く来てもいい?」と言われて断れない。カフェで「この席、4時間使わせて」と言われて断れない。整体院で「保険適用外だけど、ちょっとでも安くして」と言われて断れない。

そんな状況に、心当たりはありませんか?

「来る者拒まず」の姿勢は、一見すると顧客満足度を高めているように見えます。しかし、実際に起こったのは次のような問題でした:

  • 利益率の悪いお客様ばかりが残る
  • 質の高いサービスを求めるお客様が離れていく
  • スタッフ(私も含め)が疲弊して、サービス品質が低下する
  • 結果的に、誰も満足していない状況が生まれる

体力の限界と経営の限界が同時に訪れた転換点

転機は、私が45歳を迎えた年でした。朝まで麻雀に付き合った翌日、体調を崩して3日間寝込んだのです。その時、ふと気づきました。

「このままでは、私の体が持たない。そして、店も持たないのではないか」

近所の美容サロンの経営者から、こんな話を聞いたこともあります。「クレームの多いお客様に振り回されて、他のお客様への対応が疎かになってしまった。結果的に、良いお客様を失ってしまった」

エステサロンを経営する知人は、こう嘆いていました。「価格にばかりこだわるお客様が増えて、本当に効果を求めているお客様との時間が取れない。技術を磨く意味があるのか分からなくなってきた」

これらの話を聞きながら、私は確信しました。「全員に好かれよう」とする姿勢は、実は誰のためにもなっていないのだと。

私が「健康麻雀」に舵を切った本当の理由

「もう朝まで麻雀には付き合えません」

この一言を、常連のお客様に伝えるまでに、どれほど悩んだことでしょう。まさに「断る勇気」が試される瞬間でした。

しかし、この決断が私の店を救いました。朝まで麻雀を求めるお客様は離れていきましたが、代わりに「健康的に麻雀を楽しみたい」というお客様が集まり始めたのです。

これは、どの業種でも同じ原理が働きます。カフェなら「長時間の勉強利用お断り」にすることで、食事やお茶を楽しみたいお客様が集まる。美容サロンなら「頻繁な変更やキャンセルはご遠慮ください」にすることで、計画的に美容に取り組むお客様が集まる。

つまり、「断る勇気」は、実はあなたが本当に大切にしたいお客様を引き寄せる力なのです。

「断る勇気」が私の店にもたらした3つの奇跡

顧客を選ぶという決断をしてから、私の店には予想もしなかった変化が起こりました。それは、まさに「奇跡」と呼べるほどの変化でした。あなたの店でも、同じことが起こる可能性があります。

お客様が「ありがとう」と言ってくれるようになった不思議

最初の変化は、お客様の反応でした。

以前は、朝まで麻雀に付き合っても「当然」という顔をされることが多かったのです。しかし、健康麻雀に特化してからは、「こんな居心地の良い場所を作ってくれて、ありがとう」と言われるようになりました。

これは不思議な現象でした。サービス内容を「制限」したのに、感謝される。なぜでしょうか?

答えは明確でした。私が本当に提供したい価値と、お客様が求める価値が一致したからです。

例えば、とある美容サロンでは「カット専門」に特化することで、「短時間で確実に美しくしてくれる」という価値を明確にしました。結果、忙しい働く女性から「私の時間を大切にしてくれる」と感謝されるようになりました。

小さなカフェでは「おしゃべりを楽しむ空間」というコンセプトを明確にし、「勉強利用はお断り」にしました。すると、「会話を楽しめる貴重な場所」として、お客様から愛されるようになったのです。

つまり、制限することで、あなたの店の価値が明確になり、その価値を求めるお客様から深く感謝されるようになるのです。

単価は上がったのに満足度も上がった理由

二つ目の奇跡は、経済的な変化でした。

健康麻雀に特化したことで、1人あたりの単価は実際に上がりました。しかし、お客様の満足度も同時に上がったのです。これは、一見矛盾しているように思えますが、実は論理的な結果でした。

以前の私の店では:

  • 朝まで麻雀をする人もいれば、2時間だけの人もいる
  • ゲーム代を下げてほしいという人もいれば、質の高いサービスを求める人もいる
  • 静かに打ちたい人もいれば、騒がしく楽しみたい人もいる

このような状況では、誰の要求にも完全には応えられません。結果として、「まあまあ」の満足度に留まってしまいます。

しかし、健康麻雀に特化してからは:

  • 来店する時間帯が揃う
  • 求めるサービスレベルが近い
  • 目的が明確で共通している

この結果、私は一人ひとりのお客様に、より深く満足していただけるサービスを提供できるようになりました。そして、お客様同士の相性も良くなり、コミュニティとしての価値も生まれました。

これは、どの業種でも応用できる原理です。整体院が「肩こり専門」に特化すれば、肩こりに悩む人のためのより良い設備とサービスを提供できます。ネイルサロンが「シンプルネイル専門」にすれば、そのスタイルを求める人により深く満足してもらえます。

常連さんが新しいお客様を連れてくる好循環の始まり

三つ目の奇跡は、口コミの質的変化でした。

以前は、お客様が友人を連れてくることはほとんどありませんでした。なぜなら、「どんな人が来るか分からない」「どんな雰囲気になるか予測できない」状況だったからです。

しかし、健康麻雀に特化してからは、お客様が安心して友人を紹介してくれるようになりました。「ここなら、あなたも気に入ると思う」と言って。

これには、明確な理由があります:

  1. 期待値の管理ができる
    「健康麻雀の店」と言えば、来る人も来る目的も明確
  2. コミュニティの安心感
    似た価値観の人が集まるので、新しい人も馴染みやすい
  3. 紹介者の信頼が高まる
    「良い店を教えてくれた」と感謝される

実際、現在の新規顧客の8割は、既存のお客様からの紹介です。これは、どの業種でもゴールとする理想的な状況ではないでしょうか。

アロマサロンの経営者は、「女性限定・完全予約制」にすることで、「安心できる場所を教えてもらった」として紹介が増えたと言います。小さなレストランは「大人向けの静かな空間」をコンセプトにすることで、「特別な人を連れて行きたい店」として口コミが広がりました。

つまり、顧客を選ぶことで、選ばれた顧客が新しい顧客を連れてくる好循環が生まれるのです。

コトラーが予言した「価値共創コミュニティ」を私の店で実践してみた

マーケティングの神様と呼ばれるフィリップ・コトラーは、「現代だったら、『ファンの創造』と言うに違いない」と述べました。そして、「最高の企業は、顧客を創造するだけでなく、ファンを創造する」とも言っています。

私は22年かけて、このコトラーの言葉の真の意味を理解しました。それは単に「ファンを増やす」ことではなく、「お客様と一緒に価値を創り上げる」ことだったのです。

お客様と一緒に「理想の麻雀店」を作り上げた22年間

健康麻雀に特化してから、私は意識的にお客様との対話を大切にするようになりました。「どんな雰囲気が理想ですか?」「どんなサービスがあったら嬉しいですか?」「どんな時間の使い方をしたいですか?」

すると、お客様から様々なアイデアが生まれました:

  • 「季節ごとのイベントがあったら楽しい」
  • 「健康に関する簡単な情報があったら嬉しい」
  • 「初心者向けの教室があったら安心」

これらのアイデアを一つひとつ実現していくうちに、私の店は「私だけが作った店」から「お客様と一緒に作り上げた店」に変わっていきました

この考え方は、どの業種でも応用できます。カフェなら、常連さんと一緒にメニューを考える。美容サロンなら、お客様の要望を聞いて新しいサービスを開発する。整体院なら、患者さんと一緒により効果的な治療プランを作り上げる。

大切なのは、お客様を「サービスを受ける人」ではなく、「一緒に価値を創る仲間」として見ることです。

大会のルールまで常連さんと相談して決める理由

私の店では、月18回の麻雀大会を開催しています。そのルールや賞品等々、常連のお客様と相談しながら決めています。

「店長が決めればいいじゃないか」と思われるかもしれません。しかし、お客様と一緒に決めることで、次のような効果が生まれました:

  • 当事者意識の向上
    「自分たちの大会」という愛着が生まれる
  • 多様なアイデア
    私一人では思いつかない素晴らしいアイデアが出てくる
  • コミュニティの結束
    一緒に何かを作り上げる喜びが共有される

これは、他の業種でも同じです。美容サロンで「お客様と一緒に考える新メニュー」、カフェで「常連さんと作るイベント企画」、整体院で「患者さんと考える健康セミナー」。

お客様を意思決定プロセスに参加させることで、彼らは単なる顧客から「店の仲間」「店のファン」に変わっていくのです。

「選ばれた顧客」が新しいアイデアを提案してくれる関係性

最も驚いたのは、お客様の方から積極的にアイデアを提案してくれるようになったことです。

「こんなサービスがあったら面白いのでは?」

「この時期にこんなイベントはどうでしょう?」

「新しいお客様にはこう説明した方が分かりやすいと思います」

これらの提案は、どれも的確で、実際に導入すると大好評でした。なぜなら、提案してくれるお客様自身が「理想的な顧客」だからです。その人が「こうだったら嬉しい」と思うことは、同じような価値観を持つ他のお客様にも喜ばれるのです。

小さなレストランでは、常連のお客様が「こんな料理があったら嬉しい」と提案し、それがメニューに加われば「自分が提案した料理」として誇りを持ってくれます。そして、友人にその店を紹介する時に、「実は、あの料理は私が提案したんです」と話してくれるのです。

これが、コトラーの言う「価値共創」の真の姿です。お客様と一緒に価値を創り上げることで、彼らは最強のファンになってくれるのです。

LINE配信50-300人規模で実践する「愛される顧客選択」の技術

さて、ここまでの話を聞いて、「理論は分かったけれど、実際にLINE配信でどうやって実践すればいいの?」と思われるかもしれません。

私も同じ疑問を抱いていました。友だち登録数は250人程度。月1〜2回の配信に反応してくれるのは、いつも同じ20人ほど。「この状況で、どうやって『顧客を選ぶ』ことができるのだろう?」

しかし、小規模だからこそできる方法があることに気づきました。そして、それは大手チェーンには絶対に真似できない、私たち個人店の強みでもあったのです。

私が使っている「3つの質問」で顧客を自然に分類する方法

LINE配信で顧客を選ぶと言っても、露骨に「あなたは不要です」と言うわけではありません。大切なのは、相手に「選択」してもらうことです。

私が使っている方法は、配信の中に「3つの質問」を自然に織り込むことです:

質問1:価値観を確認する質問

「健康的に楽しむことを大切にされますか?」

「お店の雰囲気を大切にしたいと思われますか?」

質問2:関与度を測る質問

「定期的に通いたいと思われますか?」

「お店のイベントに興味はおありですか?」

質問3:コミュニティ参加意欲を測る質問

「他のお客様との交流は楽しみですか?」

「お店について友人に話したいと思いますか?」

これらの質問に「はい」と答える人は、あなたの店の理想的な顧客になる可能性が高い人です。逆に、これらの質問にピンと来ない人は、恐らく別の店舗の方が幸せになれるでしょう。

美容サロンなら「美しさを追求することを楽しみますか?」「技術の高いサービスに価値を感じますか?」カフェなら「ゆっくりとした時間を大切にしますか?」「コーヒーの味にこだわりはありますか?」

このような質問を配信に含めることで、自然に「合う人」「合わない人」を分けることができます。

罪悪感ゼロで距離を置ける「やんわり配信」5つのテンプレート

顧客を選ぶ上で最も難しいのは、「合わない」と感じる人との距離の置き方です。しかし、これも工夫次第で、相手を傷つけることなく、むしろ感謝されながら行うことができます。

テンプレート1:価値観の明確化

「当店は○○を大切にするお客様に特に喜んでいただいております。もしこの価値観に共感いただけるようでしたら、ぜひ○○してください」

テンプレート2:専門性の訴求

「○○に特化したサービスを提供しているため、○○以外のご要望にはお応えできかねる場合がございます」

テンプレート3:対象者の限定

「○○な方に最適なサービスとなっております。○○でない場合は、△△様の方がお役に立てるかもしれません」

テンプレート4:コミュニティの性質説明

「当店は○○なコミュニティを大切にしており、その雰囲気を維持するため、○○な方にご利用いただいております」

テンプレート5:相互利益の観点

「お客様により満足いただくため、○○な場合は○○をお勧めしております」

これらのテンプレートの共通点は、「排除」ではなく「最適化」の観点で語っていることです。「あなたにはもっと良い選択肢がありますよ」という親切心として伝えることで、罪悪感なく距離を置くことができます。

反応データから「本当に大切な顧客」を見極める私なりのコツ

LINE配信の素晴らしいところは、データが残ることです。しかし、多くの人は「開封率」や「クリック率」ばかりを見て、本質を見逃しています。

私が注目しているのは、次の3つの指標です:

1. 継続反応率 一度だけでなく、継続的に反応してくれる人の割合。瞬間的な反応よりも、持続的な関心の方が重要です。

2. 質的反応の深さ 単に「いいね」を押すだけでなく、コメントを残したり、来店につながったりする反応。量より質を重視します。

3. 口コミ・紹介への発展 配信をきっかけに、実際に友人を連れてきたり、SNSで紹介してくれたりする行動。これが最も価値の高い反応です。

これらの指標で高いスコアを示す人が、あなたの「本当に大切な顧客」です。逆に、開封はするけれど行動に移さない人、文句は言うけれど提案をしない人は、恐らくあなたの店には合わない人でしょう。

データを見る時は、「数」だけでなく「関係性の深さ」を意識してください。100人の浅い関係より、20人の深い関係の方が、長期的にはずっと価値があります。

小規模店舗だからこそできる「断り方」の極意

「断る」というと、多くの経営者が「お客様を失うリスク」を心配します。しかし、小規模店舗には大手チェーンにはない独自の「断り方」があります。それは、断ることで逆に信頼を深める方法です。

大手チェーンにはできない「個人店ならではの断り方」

大手チェーンは、マニュアル化された対応しかできません。しかし、個人店には「人間らしさ」という最大の武器があります。

例えば、私の店で実際にあった出来事。ある日、新しいお客様が「賭け麻雀がしたい」と言ってきました。以前の私なら、「お客様のご要望だから」と応じていたでしょう。

しかし、その時の私は違いました:

「申し訳ございませんが、当店は健康麻雀専門とさせていただいております。実は、以前は賭け麻雀も行っていたのですが、お客様により良い環境を提供したいと考え、健康麻雀に特化することにしました。賭け麻雀でしたら、○○店さんが評判が良いと聞いております」

すると、そのお客様は「そこまで考えてサービスを提供しているのですね。それなら健康麻雀も面白そうですね」と言って、結局常連になってくれました。

これが、個人店ならではの「断り方」です。単に「できません」ではなく、「なぜできないのか」「どんな思いでそうしているのか」を人間らしく伝えることで、信頼を深めることができるのです。

断った後に「ありがとうございました」と言われる技術

最も驚いたのは、断った相手から感謝される経験でした。

美容サロンを経営する友人から、こんな話を聞きました。「予算が極端に少ないお客様に対して、『申し訳ございませんが、その予算では満足いただけるサービスを提供できません。○○サロンさんでしたら、ご予算に合った素晴らしいサービスを受けられると思います』と正直にお伝えしたら、『正直に言ってくれてありがとう』と感謝されました」

これには、心理学的な根拠があります。人は「誠実さ」を高く評価するのです。無理に受け入れて、結果的に満足度の低いサービスを提供するより、最初から「お互いのため」を考えた誠実な対応の方が、信頼を築けるのです。

重要なのは、断る時の「心構え」です:

  1. 相手の幸せを考える:断ることで、相手により良い選択肢を提示する
  2. 自分の限界を認める:万能ではないことを素直に認める
  3. 代替案を提示する:「No」だけでなく「Yes」につながる道を示す

この心構えで断ると、相手は「自分のことを考えてくれている」と感じ、信頼を深めてくれます。

私が実際に使っている「感謝される断り文句」3選

22年の経験の中で、特に効果的だった断り文句をご紹介します:

断り文句1:「お客様の幸せを考えた時に」

「お客様の幸せを考えた時に、当店よりも○○店さんの方がお役に立てると思います。実は、○○店さんは○○が得意で、きっとご満足いただけるはずです」

断り文句2:「私たちの得意分野では」

「私たちの得意分野は○○でして、○○についてはお力になれないかもしれません。しかし、○○でしたら、誰よりも良いサービスを提供できる自信があります」

断り文句3:「長年の経験から申し上げますと」

「長年の経験から申し上げますと、○○な場合は○○様の方が確実にご満足いただけます。もしよろしければ、ご紹介いたします」

これらの断り文句の共通点は、「相手のため」という視点で語っていることです。自分の都合ではなく、相手の利益を考えて断っていることが伝わるので、感謝されるのです。

カフェなら「勉強利用でしたら、○○カフェさんの方が集中できる環境です」。整体院なら「急性の症状でしたら、○○病院さんの方が適切な処置を受けられます」。

このように、「相手のため」を心から思って断ると、断られた相手も「親切な人だ」と感じてくれるのです。

あなたの店が「選ばれる店」になるまでの道のり

ここまで読んでいただいて、「理論は分かったけれど、実際に何から始めればいいのだろう?」と思われているかもしれません。

私も最初は同じでした。「全員に好かれたい」という思考から「顧客を選ぶ」思考への変化は、一朝一夕には難しいものです。しかし、小さな一歩から始めることで、必ず変化は起こります。

今日からできる最初の小さな「選ぶ」行動

変化の第一歩は、意識の変化です。今日から実践できる3つの行動をご提案します:

行動1:理想の顧客を明確にする

まず、あなたの店に来てほしい「理想の顧客」を明確に描いてみてください。年齢や性別ではなく、価値観や行動パターンに注目してください。

  • どんなことを大切にしている人ですか?
  • どんな時間の使い方をする人ですか?
  • どんなコミュニケーションを好む人ですか?

行動2:現在の顧客を分類してみる

既存のお客様を、次の3つのカテゴリーに分けてみてください:

  • Aグループ:理想的な顧客(価値観が合い、継続的に利用してくれる)
  • Bグループ:普通の顧客(特に問題はないが、特別な愛着もない)
  • Cグループ:要注意顧客(クレームが多い、利益率が悪い、雰囲気を悪くする)

この分類をすることで、「誰を大切にすべきか」が明確になります。

行動3:次回のLINE配信で小さな実験をする

次回の配信で、理想の顧客(Aグループ)により深く響く内容を意識してみてください。全員に向けるのではなく、「この人たちに喜んでもらいたい」という気持ちで書いてみてください。

この3つの行動は、どれも今日から始められることです。そして、これらを実践することで、あなたの意識が少しずつ変わっていくはずです。

3ヶ月後に感じられる変化の予兆

小さな行動を続けていると、3ヶ月後には次のような変化の予兆を感じるはずです:

お客様からの反応の質が変わる

以前よりも深い反応、建設的なコメント、具体的な質問が増えてきます。これは、あなたのメッセージが理想の顧客により深く響いている証拠です。

配信作成が楽になる

誰に向けて書くかが明確になるので、配信内容に迷うことが少なくなります。そして、書いていて楽しくなってきます。

来店するお客様の雰囲気が良くなる

理想の顧客の割合が増えることで、店全体の雰囲気が良くなります。お客様同士の相性も良くなり、コミュニティ感が生まれてきます。

紹介が増え始める

満足度の高いお客様が友人を連れてくる頻度が増えます。これが、良い循環の始まりです。

自分自身が経営を楽しめるようになる

最も大きな変化は、あなた自身が仕事を楽しめるようになることです。理想の顧客と深い関係を築けることで、経営に対するやりがいが大きく変わります。

これらの変化は、すべて実際に私が体験したことです。そして、私の周りで同じアプローチを実践している経営者の皆さんも、同様の変化を報告してくれています。

一年後には常連さんから感謝される店主になるために

一年間、継続的に「顧客を選ぶ」アプローチを実践すると、あなたの店は根本的に変わります。そして、あなた自身も変わります。

私が体験した一年後の変化:

経済的な変化

  • 売上が3倍になった
  • 利益率が大幅に改善した
  • 価格競争から脱却できた

関係性の変化

  • お客様から「ありがとう」と言われる回数が激増した
  • お客様が積極的にアイデアを提案してくれるようになった
  • 新規顧客の8割が紹介経由になった

個人的な変化

  • 経営が心から楽しくなった
  • ストレスが大幅に減少した
  • 自分の仕事に誇りを持てるようになった

しかし、最も重要な変化は、お客様との関係の質でした。単なる「サービス提供者と顧客」から、「共に価値を創る仲間」へと関係性が進化したのです。

この変化は、一朝一夕には起こりません。しかし、小さな行動を積み重ねることで、必ず実現できます。大切なのは、「全員に好かれたい」という思考から「理想の顧客を深く喜ばせたい」という思考への転換です。

あなたも、勇気を出して第一歩を踏み出してみませんか?その一歩が、あなたの店を「選ばれる店」に変える始まりになるはずです。

私は22年かけてこの真理に辿り着きましたが、あなたなら、今日から始めることで、もっと早く結果を出せるかもしれません。なぜなら、あなたには「文章力」という武器があるからです。お客様の心に響く文章を書く力があれば、「顧客を選ぶ」アプローチは必ず成功します。

あなたの店が、お客様から愛され、感謝され、そして長く繁栄する店になることを、心から願っています。一緒に頑張りましょう。


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