「新しい」
たった3文字のこの言葉で、ある企業の売上が614%も跳ね上がったという話をご存知でしょうか。
「まさか、そんなことで?」と思われるかもしれません。私自身、最初にこの話を聞いた時は半信半疑でした。しかし、実際に自分の店舗で試してみると、20年間の経営で初めて体験するような変化が起きたのです。
LINE配信への反応が薄い、何を書いても既読スルーされる、お客様に嫌われているのではないかと不安になる…。もしあなたが同じような悩みを抱えているなら、この「新しい」という言葉が持つ脳科学的な力について知っていただきたいのです。
私は健康麻雀店を経営している河原健治です。友だち登録数700人ほどの小さな店舗ですが、この発見によって常連客との関係が劇的に変わりました。文章が苦手な私でも実践できた方法ですので、きっとあなたの店舗でも同じような変化を体験していただけるはずです。
あなたの店舗マーケティングが上手くいかない本当の理由
「今月もLINEを送ったけれど、既読スルーが多いな」
「どうして他の店には行くのに、うちにはリピートしてくれないのだろう」
このような悩みを抱えている店主の方は、決してあなただけではありません。
私自身、長年同じような課題と向き合ってきました。月に1回の配信を真面目に続けているのに、お客様からの反応は思うように得られない。「文章を書くのが苦手だから」と自分を責めたこともありました。
月1-2回の配信で「反応がない」と感じる店主の共通点
実は、反応が薄い配信には共通の特徴があります。私が自分の配信を振り返って気づいたのは、以下のようなパターンでした:
- 「○○%オフキャンペーン実施中です」
- 「新メニューが登場しました」
- 「ご来店お待ちしております」
これらの配信、どこかで見たことありませんか。実は私も同じような内容ばかり送っていました。美容室のお客様に聞いてみると、「どのサロンからも似たような内容が届くから、正直あまり読まなくなった」という声を耳にしたのです。
整体院を経営している知人も同様でした。「肩こり解消キャンペーン」「腰痛改善コース」といった案内を送り続けているうちに、開封率がどんどん下がっていったそうです。
割引やセール告知だけでは心を動かせない心理的理由
ここで重要なのは、お客様が求めているのは「商品」ではなく「体験」だということです。美容室であれば髪を切ってもらうことよりも、「きれいになった自分を鏡で見る瞬間」を求めています。カフェなら「コーヒーを飲む」ことよりも「ほっと一息つける時間」を大切にしているのです。
私の麻雀店でも同じでした。お客様は単に麻雀をしたいのではなく、「仲間との楽しい時間」や「日常を忘れられるひととき」を求めて来店されているのです。
ところが、私たちの配信内容はどうでしょうか。商品やサービスの機能ばかりを伝えて、お客様が本当に欲しがっている「体験」や「気持ち」について触れることができていなかったのです。
「文章が苦手」という思い込みが生み出す悪循環
「私は文章を書くのが苦手だから、お客様に響く配信なんて無理」こんな風に思い込んでいませんか。実は、これこそが最大の落とし穴なのです。
文章が苦手だと思い込むと、どうしても「正しい文章を書かなければ」「間違いがあってはいけない」という意識が強くなります。その結果、型にはまった、つまらない配信になってしまうのです。
小さな雑貨店を営む友人の話です。彼女も「文章が下手だから」と悩んでいましたが、ある日思い切って「今日、店番をしながらぼーっと外を眺めていたら、桜のつぼみが少し膨らんでいることに気づきました」という、とても個人的な内容を送ったそうです。
すると、普段は反応のないお客様から「私も桜が楽しみです」「春が待ち遠しいですね」といった温かいメッセージが届いたのです。
なぜ、この何気ない桜の話がお客様の心を動かしたのでしょうか。答えは、この配信が「新しい情報」だったからです。いつものセールやキャンペーンとは違う、その友人だけが気づいた「桜のつぼみ」という新鮮な発見。これこそが、お客様の注意を引いた正体だったのです。 実は、この「新しい」という要素には、科学的に証明された驚くべき効果があります。
脳科学が証明した「新しい」という魔法の言葉の正体
人間の脳は「新しい」情報に触れると、幸福物質であるドーパミンを分泌することが最新の脳科学研究で明らかになっています。
では、なぜ「新しい」という言葉がこれほど効果的なのでしょうか。実は、この背後には人間の脳の仕組みが関係しています。
最新の脳科学研究によると、人間の脳は「新しい」情報に触れると、幸福物質であるドーパミンを分泌することがわかっています。これは、人類が進化の過程で生き残るために必要だった本能的な反応なのです。
なぜ人間の脳は「新しい」に魅力を感じるのか
私たちの祖先は、常に変化する環境の中で生き抜く必要がありました。新しい食べ物の場所、新しい危険の兆候、新しい生活の知恵など、「新しい」情報を敏感にキャッチすることが生存に直結していたのです。
現代でも、この本能は変わりません。「新しい」という言葉を見聞きすると、脳は自動的に注意を向け、「何か自分にとって有益な情報があるかもしれない」と期待するようにプログラムされています。
アメリカの神経科学者ラッセル・ポルドラック博士は、「新しい情報は、世界のどこに注意を向けるべきかを決める最も強い合図になっている」と述べています。つまり、「新しい」という言葉は、お客様の注意を自然に引きつける効果があるのです。
ドーパミン分泌が生み出す顧客行動の変化
ドーパミンが分泌されると、人は以下のような心理状態になります:
- 好奇心が高まり、詳しく知りたくなる
- ポジティブな感情が生まれ、前向きになる
- 行動を起こしたくなる
- 記憶に残りやすくなる
これは、店舗経営者にとって理想的な顧客心理ではないでしょうか。お客様が自然に興味を持ち、前向きな気持ちで来店を検討してくれるのです。
実際に、私の店舗でも「新しい」を意識した配信を始めてから、お客様の反応が明らかに変わりました。「どんな内容なんですか?」「詳しく教えてください」といった問い合わせが増えたのです。
「目新しさ」が注意を引きつける科学的メカニズム
『ニューロン』誌に掲載された興味深い実験があります。研究者たちは被験者に様々な写真を見せて、脳の反応を調べました。人の顔や風景などの一般的な写真の中に、時々目新しい写真を混ぜたのです。
結果は驚くべきものでした。目新しい写真を見た瞬間、脳の報酬系が活性化し、ドーパミンが大量に分泌されたのです。しかも、その反応の強さは「どれだけ目新しいか」に比例していました。
これをビジネスに置き換えて考えてみてください。いつもと同じ「セール開催中」の案内と、「今まで試したことのない新しいサービス」の案内では、お客様の脳の反応が全く違うということです。
売上614%増を実現した「新しい」活用の実践例
「新しい」の効果を実証する驚くべき事例があります。アメリカの保険会社が研修医向けの新しい保険商品を販売した際の話です。
従来、医師も研修医も同じような保険に加入していました。しかし、研修医の給与は低く、十分な補償を受けられないという問題がありました。そこで、ある会社が研修医の特殊な状況に合わせた「新しい」保険商品を開発したのです。
研修医向け保険が従来商品より圧倒的に売れた理由
この新商品の何が特別だったのでしょうか。機能的には既存商品に少し手を加えただけでした。しかし、マーケティングメッセージが全く違ったのです。
従来の案内では「医師向け保険」というありきたりな表現を使っていました。しかし、新商品では以下のような表現を徹底的に使ったのです:
- 「これまでは」
- 「新登場」
- 「ついに」
- 「新しい」
- 「弊社がこのような商品を販売するのは初めて」
結果、売上は同じ顧客層をターゲットにした以前のキャンペーンと比較して614%という驚異的な伸びを記録しました。
「これまでは」「新登場」「ついに」の効果的な使い方
この事例から学べる重要なポイントは、「新しい」という概念を様々な表現で伝えることです。美容室であれば:
- 「これまでは予約の取りにくかった土曜日に、新しい技術者を迎えました」
- 「ついに当店でも、話題のヘッドスパメニューが新登場」
- 「新しい取り組みとして、施術後のホームケアアドバイスを始めました」
整体院なら:
- 「これまでは対応できなかった深夜の急な痛みに、新しい予約システムで対応開始」
- 「ついに導入!新しい機器による、より効果的な施術」
- 「新登場のストレッチ指導で、自宅でのケア方法をお伝えします」
小規模店舗でも応用できる「新しさ」の見つけ方
「うちの店には新しいものなんてない」と思われるかもしれません。しかし、視点を変えれば必ず「新しさ」は見つかります。
私の店舗での例をお話しします。ある日、常連のお客様から「河原さんの淹れる珈琲が美味しい」と褒められました。その時気づいたのです。珈琲の淹れ方は20年前から変わっていませんが、「お客様にとっては初めて知る情報」だということに。
そこで「新しい発見!美味しいお茶の秘密をお教えします」というテーマで配信したところ、多くの方から反応をいただきました。
同じように、あなたの店舗にも必ず「新しさ」があります:
- スタッフの新しい資格取得や技術習得
- 季節に合わせた新しい商品やサービス
- お客様から教わった新しい活用方法
- 地域の変化に合わせた新しい取り組み
- 設備や環境の小さな改善
重要なのは、「自分にとっては当たり前」でも「お客様にとっては新しい」情報がたくさんあるということです。
文章が苦手な店主でも今すぐ使える「新しい」の実践テンプレート
「理屈はわかったけれど、実際にどう書けばいいの?」そんな声が聞こえてきそうです。安心してください。文章が苦手な方でも使える、具体的なテンプレートをご紹介します。
地域密着型店舗の「新しいサービス」発見法
まず、あなたの店舗で「新しさ」を見つける3つのステップをお伝えします:
- 「最近変わったこと」をリストアップする
- 「お客様がまだ知らないこと」を洗い出す
- 「これから始めたいこと」を明確にする
たとえば、小さなカフェなら:
最近変わったこと:新しいコーヒー豆の仕入れ先、スタッフの接客研修受講、BGMの変更
お客様がまだ知らないこと:コーヒー豆の産地のこだわり、美味しく淹れるコツ、おすすめの飲み方
これから始めたいこと:テイクアウト用の新メニュー、コーヒー教室の開催、地域イベントへの参加
美容室の場合:
最近変わったこと:新しいトリートメント導入、技術者の講習会参加、店内レイアウトの変更
お客様がまだ知らないこと:髪質に合わせたケア方法、季節ごとのヘアケアポイント、自宅でのスタイリングコツ
これから始めたいこと:ヘアケア相談の時間延長、新しいスタイル提案、アフターケアフォロー
LINE配信で使える「新しい」フレーズ集
具体的な配信文例をご紹介します。そのまま使っても、アレンジしても構いません:
基本パターン:
- 「新しい発見がありました!」
- 「これまでお伝えしていなかった○○について」
- 「ついに始まります!」
- 「初めての試みとして」
- 「新しい取り組みをスタートします」
体験談パターン:
- 「先日、お客様から教えていただいた新しい○○」
- 「今まで気づかなかった○○の効果」
- 「初めて体験してみた○○の感想」
季節・タイミングパターン:
- 「この時期ならではの新しい○○」
- 「今年初めての○○」
- 「新年度から始める○○」
顧客に嫌われずに「新しさ」を伝える安全な表現方法
「押し付けがましくならないか心配」という不安もあるでしょう。そんな時は、以下の表現を参考にしてください:
控えめな表現:
- 「もしよろしければ」
- 「お時間のある時にでも」
- 「ご興味がおありでしたら」
共感的な表現:
- 「私も最初は半信半疑でしたが」
- 「同じような経験をされた方に」
- 「皆さんと同じように感じていた時に」
価値提供の表現:
- 「少しでもお役に立てれば」
- 「皆さんにもお伝えしたくて」
- 「せっかくの機会なので」
「新しい」を継続的に生み出す店舗運営の仕組みづくり
一度や二度「新しい」を使っても、継続しなければ効果は限定的です。どうすれば継続的に「新しさ」を生み出せるのでしょうか。
月1-2回の配信でも効果を最大化する「新しさ」のストック法
私が実践している方法をご紹介します。まず、「新しさノート」を作ることから始めましょう。
毎日の業務の中で気づいたことを記録します:
- お客様からの新しい要望や質問
- スタッフの成長や新しい取り組み
- 季節の変化や地域の出来事
- 商品やサービスの小さな改善
- 他の店舗で見つけた良いアイデア
月に1-2回の配信でも、このストックがあれば「今回は何を伝えよう」と悩む必要がありません。むしろ「どれを選ぼうか」という嬉しい悩みに変わります。
私の店舗では、スタッフとの朝礼で「昨日の新しい発見」を共有する時間を作っています。「○○さんが喜んでくださった新しいサービス」「初めて気づいた設備の便利な使い方」など、小さなことでも積極的に共有しています。
常連客の反応から次の「新しさ」を見つけるコツ
お客様との会話も「新しさ」の宝庫です。特に常連客の何気ない一言には、次の改善点や新サービスのヒントが隠れています。
たとえば、「いつもの時間に来られなくて残念」という声から、新しい営業時間の検討につながることがあります。「家でも同じようにできたらいいのに」という声から、テイクアウトサービスや出張サービスのアイデアが生まれることもあります。
エステサロンを経営する知人は、お客様の「最近肌の調子がいいのは何のおかげかしら」という何気ない言葉から、使用している化粧品の効果について詳しく調べ、それを新しい情報として配信したところ、多くの反響があったそうです。
スタッフと一緒に「新しい価値」を創造する仕組み
一人で考えていても、アイデアには限界があります。スタッフと一緒に「新しさ」を探すことで、より多くの発見があります。
私の店舗では月に一度、「新しいアイデア会議」を開いています。以下のようなテーマでブレインストーミングします:
- お客様にもっと喜んでもらうには?
- 他にはない当店ならではのサービスは?
- 地域の皆さんのお役に立てることは?
- スタッフの特技を活かせることは?
美容室なら:
- スタッフ一人ひとりの得意なスタイルや技術
- お客様の髪質や悩みに合わせた新しいケア方法
- 季節やトレンドに合わせた新しい提案
- 店舗の空間や時間をより有効活用するアイデア
飲食店なら:
- シェフやスタッフの出身地の料理
- 地元食材を使った新しいメニュー
- お客様の健康や好みに配慮した新しいサービス
- テイクアウトやデリバリーの新しい取り組み
あなたの店舗にも眠っている「新しい」価値を見つけよう
ここまで読んでいただいて、いかがでしょうか。「新しい」という言葉の持つ力と、その活用方法について理解していただけたでしょうか。
最後に、今日からすぐに始められる具体的なステップと、継続するためのコツをお伝えします。
今日から始められる「新しさ」発見の3つのステップ
ステップ1:現状の棚卸し
まず、あなたの店舗について以下を書き出してみてください:
- 最近変更・改善したこと(どんなに小さなことでも)
- お客様からよく質問されること
- あなたが当たり前だと思っているけれど、実は価値があること
- スタッフの新しいスキルや取り組み
- 季節や時期に合わせて行っていること
ステップ2:お客様目線で見直し
次に、書き出した内容を「お客様にとって新しい情報かどうか」の視点で見直します。意外と多くのことが「お客様は知らない新しい情報」であることに気づくはずです。
ステップ3:配信テーマの決定
その中から、最もお客様の役に立ちそうな情報を選び、「新しい」という言葉を使って配信テーマを考えます。
文章力に自信がなくても顧客の心を動かせる理由
「私は文章が下手だから」と心配される必要はありません。なぜなら、お客様が求めているのは完璧な文章ではなく、あなたの誠実な気持ちだからです。
実際、私も文章のプロではありません。誤字脱字をすることもありますし、うまく表現できないことも多々あります。しかし、お客様への感謝の気持ちや、少しでもお役に立ちたいという想いを込めて書いた文章は、必ず伝わります。
大切なのは以下の3つです:
- お客様のことを考えて書く
- 自分の言葉で表現する
- 小さなことでも「新しい」価値を見つけて伝える
あなたの真摯な想いが生み出す最高の「新しい」価値
最後に、最も重要なことをお伝えします。どんなテクニックよりも、どんな美しい文章よりも、お客様の心を動かすのは「あなたの真摯な想い」です。
お客様に喜んでもらいたい、地域のお役に立ちたい、より良いサービスを提供したい。そんな純粋な気持ちこそが、最も「新しい」価値を生み出すのです。
私がこの記事を書いたのも、同じ経営者として苦労されている皆さんの少しでもお役に立ちたいという想いからです。完璧ではないかもしれませんが、私の経験と学んだことをお伝えすることで、皆さんの店舗がより多くのお客様に愛される場所になることを心から願っています。
「新しい」という言葉は確かに効果的です。しかし、それ以上に効果的なのは、お客様を大切に思うあなたの気持ちです。その気持ちがあれば、必ず「新しい」価値を見つけることができますし、お客様にもその想いは伝わります。
今日から、あなたの店舗にある「新しい」価値を探してみてください。きっと、思っている以上にたくさんの宝物が見つかるはずです。そして、その宝物をお客様と分かち合うことで、より深い信頼関係を築いていってください。
私も皆さんと一緒に、お客様に愛される店舗づくりを続けていきます。お互いに頑張りましょう。
