「またスルーされてる…」
毎朝せっせとLINE配信をしているのに、既読スルーの嵐。クーポンを付けても、割引情報を流しても、お客様からの反応はほとんどない。
「私の文章が下手なのかな?」 「もっと派手なキャンペーンをしないとダメ?」
そんな風に悩んでいるあなたへ。実は、問題はあなたの文章力ではありません。アプローチの方向性が、ちょっとだけズレているだけなんです。
今日から6回にわたってお届けする「喜びベースのセールスライティング」シリーズでは、従来の「売り込み型」とは全く違う、新しいLINE配信の文章術をお伝えします。
この方法を使えば、お客様との関係が劇的に変わり、自然と売上が上がっていく…そんな夢のような話、信じられますか?
なぜLINE配信が無視されるのか?売り込み文章の落とし穴
「今すぐ買って!」が引き起こす心理的拒絶反応
私たちは誰でも、強引に何かを勧められると、つい身構えてしまいますよね。
例えば、街を歩いていて「ちょっとお時間いいですか?」と声をかけられた時のことを思い出してください。きっと、反射的に「今急いでいるので…」と断りたくなるはずです。
実はLINE配信でも、全く同じことが起きているんです。
「期間限定!今すぐご予約を!」 「このチャンスを逃すと損です!」 「残りわずか!お急ぎください!」
こんなメッセージを見た時、お客様の心の中では何が起きているでしょうか?
お客様が感じる3つの不快感
私たちがついやってしまいがちな「売り込み型」の文章。実はこれ、お客様に3つの不快感を与えています。
1. プレッシャーを感じる 「今すぐ決めないといけない」という焦りは、心地よいものではありません。お客様は自分のペースで考えたいのに、それを奪われるような感覚になります。
2. 信頼関係が築けない 一方的な売り込みは、「この人は私のことより、売上のことを考えている」という印象を与えます。これでは、長く付き合いたいと思ってもらえません。
3. 選択の自由が奪われる 人は誰でも、自分で選びたいという欲求があります。強引に勧められると、たとえ良い商品でも「押し付けられた」と感じてしまうのです。
売上を追うほど離れていく顧客の心理
ここで、少し立ち止まって考えてみましょう。
あなたがお客様として、どんなお店に通いたいですか?どんな人から商品を買いたいですか?
きっと、自分のことを理解してくれる人、自分の幸せを願ってくれる人のはずです。
でも、売上を追い求めるあまり、私たちはついお客様を「数字」として見てしまいがち。この瞬間、お客様との心の距離は、どんどん離れていってしまうのです。
人を動かす2つの方法:「苦痛」と「喜び」の違い
苦痛マーケティングの限界
実は、人を行動に導く方法は、大きく分けて2つしかないと言われています。
1つは「苦痛」、もう1つは「喜び」です。
従来のマーケティングでは、「苦痛」の方が強力だと考えられてきました。
「このままでは大変なことになる」 「今行動しないと後悔する」 「他の人に遅れをとる」
確かに、こうした「苦痛」を避けたい気持ちは、人を動かす強い力を持っています。
でも、ちょっと待ってください。
あなたは、いつも不安や恐怖を煽るお店に、通い続けたいと思いますか?特に店舗集客では少し違うかもしれませんよね!
なぜ「喜び」が人の心を動かすのか
ここで発想を転換してみましょう。
「苦痛」ではなく「喜び」で人を動かすとは、どういうことでしょうか?
それは、お客様の「なりたい姿」「実現したい夢」に寄り添うということ。
例えば、ダイエットサプリを販売する場合:
【苦痛アプローチ】 「このままでは健康を害する危険が…」
【喜びアプローチ】 「軽やかな体で、お気に入りの服を着こなす毎日へ」
どちらが心に響きますか?
喜びアプローチは、お客様に「ワクワクする未来」を見せることができます。そして、その未来に向かって一緒に歩んでいく…そんな関係性を築けるのです。
ノーベル経済学賞が証明した意外な人間心理
2002年、ある心理学者がノーベル経済学賞を受賞しました。
その研究内容は「人は利益よりも損失を大きく感じる」というもの。これは「損失回避性」と呼ばれ、従来のマーケティングの根拠となってきました。
しかし、最新の研究では、こんな興味深い事実が明らかになっています。
「短期的には苦痛回避が強いが、長期的な関係構築には喜びの共有が効果的」
つまり、一時的な売上を求めるなら「苦痛」アプローチも有効ですが、リピーターを増やし、長く愛されるお店を作るには「喜び」アプローチが不可欠なのです。
喜びマーケティングで変わる!顧客との新しい関係性
お客様の「夢」を描く文章の書き方
では、具体的にどうやって「喜び」を伝える文章を書けばいいのでしょうか?
ポイントは、お客様の「夢」を一緒に描くこと。
例えば、美容室のLINE配信なら:
「髪質でお悩みのあなたへ。鏡を見るたびに笑顔になれる、そんな毎日を一緒に作りませんか?当店の新しいトリートメントは、まるで生まれ変わったような手触りを実現。朝のスタイリングが楽しみになる、そんな体験をお届けします。」
この文章には、売り込みの言葉は一つもありません。でも、読んだ人は「私もそうなりたい」と自然に感じるはずです。
信頼関係を築く3つのステップ
喜びベースの文章で、お客様との信頼関係を築くには、次の3つのステップが大切です。
ステップ1:共感を示す まずは、お客様の現状や悩みに寄り添います。「そうですよね」「わかります」という気持ちを伝えることで、心の距離が縮まります。
ステップ2:希望を提示する 次に、明るい未来の姿を具体的に描きます。「こんな風になれたら素敵ですよね」という期待感を共有します。
ステップ3:一緒に歩む姿勢を示す 最後に、「私たちがサポートします」「一緒に実現しましょう」という伴走者としての立場を明確にします。
実例:健康麻雀店が20年以上愛される理由
ここで、私の成功事例をご紹介しましょう。
私は健康麻雀店の経営者、地域のシニア層から愛され続け…..自分で言うのもなんですが、全国でも知られた集客店です。
その秘密は何でしょうか?
LINE配信には、こんなこと書きます。
「今日も元気にお過ごしですか?麻雀は頭の体操になるだけでなく、仲間との楽しい時間を過ごせる素敵な場所です。皆様の笑顔が、私たちの一番の喜びです。」
売り込みは一切なし。でも、お客様は自然と「行ってみようかな」と思うのです。
なぜでしょう?
それは、私が常にお客様の「喜び」を中心に考えているから。健康で楽しい毎日を送ってほしい、そんな純粋な想いが、文章を通じて伝わるのです。
今すぐできる!喜びベースの文章術3つのポイント
ポイント1:共感から始める挨拶文
LINE配信の書き出しを、こんな風に変えてみましょう。
【Before】 「本日のお得情報です!」
【After】 「週末、いかがお過ごしでしたか?月曜日の朝は、なんだか体が重く感じますよね。」
この違い、わかりますか?
後者は、読み手の状況や感情に寄り添うところから始まっています。これだけで、「この人は私のことをわかってくれている」という安心感が生まれるのです。
ポイント2:未来の姿を想像させる表現
商品やサービスを紹介する時は、機能ではなく「変化」を伝えましょう。
【Before】 「新メニュー:デトックスコース 60分 8,000円」
【After】 「体の内側からスッキリ軽やかに。デトックスコースを受けた翌朝、鏡の前で思わず笑顔になる自分に出会えます。」
お客様が本当に求めているのは、サービスそのものではなく、それによって得られる「変化」なのです。
ポイント3:感謝と期待を込めた締めの言葉
配信の最後は、押し付けがましくない行動提案で締めくくりましょう。
【Before】 「ご予約はお早めに!」
【After】 「あなたの笑顔にお会いできる日を、心から楽しみにしています。」
この違いは大きいです。前者は「急かされている」感じがしますが、後者は「歓迎されている」感じがしますよね。
まとめ:お客様の人生を豊かにする文章力
今回は、「苦痛」から「喜び」へ、LINE配信の文章を変える第一歩をお伝えしました。
大切なのは、お客様を「売上の対象」ではなく「共に喜びを分かち合う仲間」として見ること。
あなたの商品やサービスは、きっと誰かの人生を豊かにする力を持っています。その価値を、喜びの言葉で伝えていきましょう。
次回は、具体的な「3Pの公式」を使って、より効果的な喜びベースの文章を書く方法をお伝えします。
あなたのLINE配信が、お客様の1日を明るくする「小さな幸せ」になりますように。
【次回予告】 第2回「3Pの公式で顧客の心をつかむ!喜びベースのLINE文章テンプレート」では、Promise(約束)、Proof(証明)、Price(価格)の3つのステップで、心に響く文章を作る具体的な方法をご紹介します。お楽しみに!